2025年10月14日、中国のコンテナ船「Istanbul Bridge」が北極を通る画期的な航海を終え、イギリスの港に到着したと国営通信社のXinhuaが報じた。この航海は、ヨーロッパ向けの電気自動車や太陽光パネルの輸送時間を通常の半分に短縮した。初めは18日を予定していたが、ノルウェー沖の嵐により2日遅れたものの、スエズ運河や喜望峰を経由する貨物船よりも早く到着した。新しい北方海航路は、ロシアの排他的経済水域内を完全に通るもので、地球温暖化により航行可能になった。
中国は、アメリカとの高コストな貿易戦争の中で、ヨーロッパ連合との迅速な海上輸送ルートを模索している。この動きは、製造品の海外販売に依存する経済の成長を維持するための市場多様化の必要性を反映している。中国の税関データによると、9月のヨーロッパへの輸出は前年同月比14%増加した一方、アメリカへの出荷は27%減少した。
過去40年間で北極は世界平均の約4倍の速さで温暖化しており、海氷が劇的に減少し、商業航行のための季節的なウィンドウが生まれている。しかし、北極航路の天候や航行条件は予測不可能である。コンテナ約4,000個を積んだIstanbul Bridgeは、中国の舟山港を出発し、イギリスの最大のコンテナ港フェリックスストウに月曜日に到着し、ドイツ、ポーランド、オランダにも寄港する予定だ。船は中国が管理するコンテナライン「Sea Legend」によって運航されている。