Clyde Russellによると、ギニアのシマンドゥ鉱山は、海上鉄鉱石市場に大きな影響を与える「ゲームチェンジャー」となる見込みです。プロジェクトの初荷は年末までに到着する可能性があり、年間1億2000万トンの生産能力に迅速に達することが期待されています。シマンドゥは中国企業が75%を占め、リオ・ティントが25%を保有しており、中国の鉄鉱石輸入の約10%を占めるとされています。
シマンドゥの高品位鉄鉱石は、中国の鋼鉄製造において炭素排出を削減するために需要が高まると予想されており、電気アーク炉で直接使用可能です。これにより、オーストラリアやブラジルの高コスト・低品位鉄鉱石の生産者が市場から押し出される可能性があります。
オーストラリアの鉱業は過去10年間、強い成長を遂げてきましたが、シマンドゥの影響で価格が下落する恐れがあります。一方で、オーストラリアは低コストの鉄鉱石と再生可能エネルギーの供給に恵まれており、グリーン鋼の製造に向けた新たな投資の機会が期待されています。最近、オーストラリア連邦政府が南オーストラリア州のワイアラでの鋼鉄生産を支援するために15億ドルのパッケージを発表したことが、国内での鉄鉱石の付加価値化に向けた一歩とされています。