米国の制裁を受けた2隻のタンカーが、ロシアの北極油をシリアで初めて揚陸する予定である。これは、モスクワが10年以上ぶりにシリアにディーゼルを供給した数日後の出来事である。政府関係者と地元のテレビによると、1隻目のタンカー「Aquatica」は約10万トンのロシア産石油を積んでおり、バニヤス港での揚陸が予定されている。2隻目のタンカー「Sakina」は、さらに10万トンの油を積んでバニヤスに向かっており、3月25日に到着予定だ。両タンカーは、1月10日に施行された米国の制裁の対象となっている。ロシアは、米国の制裁により「Gazprom neft」や原油を輸送するタンカーに影響を受け、北極油の代替購入先を探さざるを得なくなっている。一方、シリアは自国の石油生産が厳しい中、イラン産石油の代替を見つけるのに苦労している。シリア最大のバニヤス精製所は、供給不足により2024年12月に操業を停止した。ロシアの「Gazprom neft」およびシリアの石油省の関係者はコメントを控えている。
制裁対象のロシアのタンカーがシリアで石油を積み下ろす予定。
