2025年3月25日、イギリスの海事大臣マイク・ケインは、イギリスの水域で運航し、港に入港する全ての船舶をカーボンフリーにするという政府の新たな目標を発表しました。この新しい海事脱炭素化戦略は、2030年までに温室効果ガス排出量を30%、2040年までに80%、2050年までにゼロに削減することを目指しています。この取り組みにより、イギリスは2023年の国際海事機関(IMO)の戦略における野心的な目標に合致することになります。
新戦略の下、航運セクターはイギリス排出権取引制度(UK ETS)に組み込まれ、大型船舶の運営者は排出する温室効果ガスに対してより多くの費用を支払うことになります。さらに、戦略は、航運からの排出削減や水素、電気、アンモニア船舶などのクリーン燃料と技術の利用促進を目指しています。
ケインは「私たちの変革計画の一環として、イギリスをクリーンエネルギーの超大国にすることにコミットしており、海事脱炭素化戦略はよりクリーンで回復力のある海事国家を築く手助けとなるでしょう」と述べました。また、政府は港での排出削減や将来のエネルギー需要の理解、より小型船舶の脱炭素化に向けた証拠収集を行うための呼びかけも行っています。
イギリス港協会の最高経営責任者リチャード・バランタインは、「本日の発表を歓迎します。イギリスの港はすでにゼロネット目標に対するコミットメントを示しており、新技術や燃料への投資を行っています。UK SHOREプログラムは、政府と業界が共通の目標に向けて協力することで達成できることを示しています」と述べました。