2025年9月、ロシアが北極海ルート(NSR)を通じてブルネイに初めて石油を輸送することが明らかになりました。これまでNSRの輸送は主に中国に限られていましたが、モスクワはこのルートをインドやアメリカなど他の国々にも広めようとしています。現在、タンカーLaturはムルマンスクで積載したアークティック・ヘビーのARCO油を運び、ブルネイのムアラに向かっています。この船は、2025年1月にアメリカの制裁を受けたセーシェルに拠点を置くGessi Marineが所有しています。
ブルネイは2022年の西側の制裁以来、ロシアの原油を少量輸入しており、2023年には1,560万ドル相当のロシア産石油を輸入しました。NSRは夏と秋に航行可能で、ロシアの西部港とアジアを結び、スエズ運河と比べて最大10日間の輸送時間短縮が期待されています。今年、ロシアはNSRによる輸送を増加させる見込みですが、高コストやロスアトムからの承認が課題となっています。現在、約400万バレルのロシア産石油がNSRを通じて中国に向かっています。