ロシアからナフサ約30万バレルを積んだ制裁対象のタンカーが、木曜日の遅くにベネズエラの水域に入った。一方、他の3隻の制裁対象のタンカーは、アトランティック海で航行を停止するか、進路を変更していた。これは、アメリカのドナルド・トランプ大統領がベネズエラ行きの制裁対象のタンカーに対して「封鎖」を命じたことによる、船主の最後の決断の兆候と見られる。トランプ大統領は、火曜日に南米の国への制裁対象の全石油タンカーの封鎖を命じ、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領への圧力を強めている。制裁を受けていない船舶は、水曜日にベネズエラの水域から出航を再開し、国の蓄積する原油在庫の減少を助けている。
ガンビア船籍の制裁対象の中型タンカー「Hyperion」は、金曜日にベネズエラのアムア湾近くに停泊しており、11月下旬にロシアのムルマンスク近くで積荷を積んでいた。アンゴラ船籍の制裁対象中型タンカー「Agate」は、カリブ海に向かっていたが、金曜日に進路を変更した。シエラレオネ船籍の「Sofos」と「Sea Maverick」という2隻のタンカーは、ロシアから積荷を積んでベネズエラに向かう予定だったが、金曜日にはガイアナの水域でほとんど動いておらず、目的地をパナマと信号していた。オマーン船籍の制裁対象タンカー「Garnet」は、金曜日にカリブ海を目的地とし続けていた。ベナン船籍の制裁対象タンカー「Boltaris」は、今月初めに方向転換し、ベネズエラに荷下ろしせずにヨーロッパに向かっている。
木曜日には、制裁を受けていない非常に大きな原油運搬船(VLCC)2隻とアフラマックスが、中国に向けてベネズエラから出航した。これは、アメリカが先週、ベネズエラの石油を運んでいた船を押収して以来、シェブロン以外の船がベネズエラを出たのは2回目、3回目、4回目にあたる。アメリカのシェブロンは、アメリカの許可の下でベネズエラの原油を輸送し続けており、木曜日にはアメリカ向けの原油を輸出した。ベネズエラ政府は、トランプの封鎖を「異常な脅威」と呼び、国際法や自由貿易、自由航行の権利を侵害していると声明を発表した。

