ラテンアメリカは、核エネルギーのグローバルな競争で遅れをとっていますが、その状況は変わりつつあるかもしれません。メキシコからアルゼンチンまで、長年停滞していた核エネルギーへの取り組みが再燃しています。新たな機会と課題を探るため、業界の専門家と話をしました。
核エネルギーはラテンアメリカのエネルギーミックスで長らく小さな役割を果たしてきましたが、小型モジュール炉(SMR)の登場により、投資の選択肢や新たなプロジェクトの機会が広がっています。特にアルゼンチンでは、デミアン・レイデルが、ブエノスアイレス州ザラテのアトゥチャ原子力サイトに4基のACR-300 SMRを設置する計画を発表しました。これにより、2030年までに1.2ギガワットの発電能力が見込まれています。
ブラジルでは、国営エレクトロヌクレアールがアンブラ1およびアンブラ2プラントを運営し、アンブラ3の建設を進めています。これは、同国の長期的なエネルギー移行戦略において核エネルギーが重要な要素と見なされているからです。
しかし、ラテンアメリカの核エネルギーの拡大は他の地域に比べて遅れています。世界では440基の原子炉が稼働していますが、ラテンアメリカではわずか7基です。今後、エルサルバドルが核プログラムを立ち上げる可能性もありますが、地域全体での規制の更新や許可システムの簡素化などの課題が残っています。
コロンビアは、70%が水力に依存しているため、核エネルギーの供給チェーンを開発する上で大きな課題に直面しています。人材育成と輸送インフラの整備も重要なステップです。
全体として、ラテンアメリカの核エネルギー市場には大きな成長の可能性があり、今後の動向が注目されます。