ポセイドン原則は、世界の船舶金融の約80%を代表するもので、脱炭素化に向けた進展を示す第五回年次開示報告書を発表しました。報告書によると、金融機関の気候透明性が向上し、国際海事機関(IMO)が設定した2050年までに国際航運からの排出をゼロにするという野心的な脱炭素化目標に向けて、船舶金融のグローバルポートフォリオがより整合してきています。35の主要金融機関の気候整合性が示され、2019年の発足からの変革的な進展が強調されています。この取り組みは、船舶金融における気候整合性の測定と報告のための世界初のセクター特化型フレームワークとして注目され、鉄鋼や航空など他の分野にも影響を与えています。
2024年の年次開示報告の主な発見は以下の通りです:
– 透明性の向上:署名機関のポートフォリオ活動の平均93.3%が報告され、全ての署名機関がポートフォリオの70%以上の船舶排出データを報告。28の機関が90%以上の報告率、8の機関が100%に達しました。
– 気候整合性の向上:気候整合性のスコアが昨年から進展し、IMOの「最小限の」および「努力中」の脱炭素化目標への整合が改善されました。
– コラボレーションの増加:金融機関と船舶クライアント間の協力が増加し、2023年のIMO温室効果ガス戦略に沿った2050年までのネットゼロ排出達成に向けた指導的な役割が示されています。
ポセイドン原則の議長であるマイケル・パーカー氏は、この取り組みが船舶業界における透明な気候報告の可能性を再定義したと述べ、進展を認識しつつ、2030年、2040年、2050年の重要な脱炭素化目標に向けての加速した努力が必要であることを強調しました。